でこりんのラグビー雑記帳

15年ワールドカップでラグビーにはまってしまったにわかラグビーファンの雑記帳です。観戦記・選手紹介・ルール・プレー説明などラグビーの面白いところをファン目線でまとめています。

【観戦記】NZLvIRE アイルランド ロリーベストに泣かされた

ノックアウトトーナメントってこんなに悲しいのか、ということを思い知ったのです。

 

まずは結果から  f:id:mayutan12164:20191020115839j:image

ニュージーランドが怒涛の6トライ。アイルランドは一生懸命やっているのに、なかなかゲインラインを突破できず、フェーズを重ねていくうちに、いつの間にかオールブラックスボールになっていました。瞬く間に、そして、のびのびとしたラグビーでもって、鮮やかにトライを奪う。彼らの笑顔は素晴らしいのですが、それに底を感じさせない恐ろしさまで感じるような、まさに最強のラグビーを見せつけられました。

あんなに苦労して勝ったアイルランドなのに、まるで社会人と高校生がラグビーしてるんじゃやないか?と思えるほどに、オールブラックスの壁は高かったです。どんな状況であっても最善の選択を全力で遂行する彼らがあまりに強すぎて、個人的にはドン引きでした。

 

ノックアウトトーナメントとは

そんなこんなで試合は終わったのですが、個人的ハイライトはその後でした。この試合でもって、現役を引退するアイルランドのフッカー ロリーベスト、そして彼の周囲が素晴らしかったのです。

ファンは試合後のインタビューのために、彼がスクリーンに映ると会場から大歓声を送り、選手はオールブラックスも含めて、花道を作って見送る。グラウンドを一周しながら観客席にいるお子さんをグラウンドに向かい入れ、4人で手を繋いで歩く。彼の偉業を讃える全てが温かく思いやりのこもったものであり、それは彼が成し遂げた事実だけに贈られたものでないことが、何も知らなかった私にも伝わる素晴らしい時間でした。

個人的に胸を打たれた瞬間は、彼のお子さんが歩きながら腕で涙を拭ったときです。彼自身もとんでもなく悔しくて、悲しかったんだろうと、そして、私の想像をこえる何か感じていたんだろうと思います。

ロリーベストが膝をついて彼を抱きしめている姿は最高のフッカーであり、最高の父親である証明だと思いました。

そんな暖かい気持ちになる一方で、同時に、アイルランドのワールドカップはこれでおしまい、という事実も同時にそこに寝転がっていて、それは私をどうしようもなく悲しい気持ちにさせました。これまでのプール戦では勝っても負けても次がありましたが、これからは負けたら終わり。当たり前のことなんですが、その厳しさを目撃して、オールブラックスの快勝とのコントラストに愕然としました。

 

これが、ノックアウトトーナメントか。