【観戦記】12/15トップリーグファイナル!~夢の10番対決&平尾誠二と山中亮平のこと
年の瀬です。またずいぶん時間が経ってしましましたが、トップリーグの決勝戦について観戦記をまとめます!
まずは結果から
なんという点差。決勝戦ってこんな感じになっちゃうんだっけ?が率直な感想です。試合中はなんというか茫然。サントリーの応援席がトライのたびに静かになっていく異様な雰囲気でした。あまりの点差にこれが本当に決勝戦なのかと疑いたくなる場面が何度もありました。
全体の感想
試合展開全体の感想は、まるで日本VSオールブラックスを見ているような気分でした。ただサントリーはサントリーで一生懸命やっていて、ミスで自滅していることもなかったので試合が進めばいつものサントリーらしさ、結局は勝つ底力を見せてくると思ったのですが、なんだか神戸製鋼の一枚うわてというか、隙のなさがすごかったです。
夢の10番対決
ダン・カーターとマット・ギタウのマッチアップは本当に貴重でした。15年ワールドカップを代表として戦った2人が日本で、日本のチームで再度戦うなんて日本のラグビーファンとしてこれ以上ない素晴らしいことです。スクラムを挟んで両者向かい合っている構図は、激熱、、、!こんな写真が素人の私でも撮れちゃうなんてこんなことは普通ありません!!
神戸製鋼の思い
結局感想は開幕戦とほとんど一緒になりそうですが、何が違ったかというと、ダン・カーター以外の神戸製鋼の選手たちです。各選手自分の持ち味を発揮しながらラグビーに集中していたと感じました。それが神戸製鋼全体から感じる「隙のなさ」なのかなと振り返って思います。
企業スポーツとしての思い
びっくりしたのですが、入場するときベンチコートの下に神戸製鋼の作業着を着ていたのです。神戸製鋼という会社の歴史、特に震災からの復興で何をしてきたのかを知ることがチームの力になるという思いがあったそうです。また作業着を着るというアイディアはアダム・アシュリー・クーパー発信。ダン・カーター同様、元ワラビーズはメンタル面でもプロだと感じました。
試合前、神戸製鋼の選手たちは、ジャージの上に会社の作業着を着ていた。豪州生まれのアシュリー・クーパーが「V7を成し遂げた偉大なOBや阪神大震災を乗り越えた会社の誇りを胸に闘う」という想いで発案したという。日本ラグビーの企業スポーツ文化を受け容れ、それを活かし浸透させた。カッコイイ! pic.twitter.com/Xx5eCIjTWf
— 吉谷 吾郎 (@nitta_shiyo) 2018年12月16日
平尾誠二と山中亮平のこと
この日15番FB山中選手(ダッシュの愛称でおなじみ)は顔面の怪我があるにも関わらず(結果的に)フル出場しました。
怪我の様子はこんな感じ↓
ただ、試合中はそんな怪我を感じさせない力強いタックルやランを何度も見ました。これにはすごいストーリーがあって、、、
彼は早稲田大学副キャプテンとしてプレーしながら、日本代表にも招請されるなど、ラグビーエリートとしての道を進んでいたのですが、2011年に意図しないドーピング(髭の育毛剤に禁止薬物が含まれていた)で2年間の謹慎処分を余儀なくされました。処分中はボールを触ることも許されず、その間は神戸製鋼の社員として働きながら、基礎体力をつけるしかなかったそうです。そんな大変な時期を支えたのが、当時神戸製鋼のGMだった平尾誠二であり、トップリーグ優勝は彼の切なる願いであったというのです。その願いをかなえるため、熱い思いを持って試合に臨んだと分かった時、大怪我をおしての出場、素晴らしいパフォーマンス、そして優勝という結果に納得がいきました。参考:どん底の山中亮平救った平尾誠二さんの言葉
おわりに
振り返ると今シーズンは神戸製鋼に始まり神戸製鋼に終わったシーズンだったなぁと思いました。トップリーグ王者は決まりましたが、引き続きカップ戦は続くのでまだまだ国内ラグビーには注目ですね!