でこりんのラグビー雑記帳

15年ワールドカップでラグビーにはまってしまったにわかラグビーファンの雑記帳です。観戦記・選手紹介・ルール・プレー説明などラグビーの面白いところをファン目線でまとめています。

ハカってなに?〜2018.11.2 オールブラックス来日にあたって #1

いよいよ今月オールブラックスが来日します。オールブラックスをお迎えするにあたって知っておきたいシリーズ第1弾として「ハカ」についてまとめます。

 

来日スケジュールをサクッとおさらい

 ハカとは?

ハカとはニュージーランドマオリ族の民族舞踊です。戦いの前に仲間を鼓舞するための踊りのことで、英語ではWarcry(ウォークライ)、日本語では鬨(とき)と言います。日本語のえいえいおー!というのが勝鬨(かちどき)で、戦に勝った時の掛け声だそうです。

ニュージーランド オールブラックスのハカは、主にテストマッチ(代表試合)の際、国歌斉唱の後、試合が始まる前にピッチ中央で披露されます。民族舞踊の一種であって、わざわざ試合前に披露することでもないので、いいか悪いかの議論はあると思いますが、ある種商業的・パフォーマンス的要素もあるみたいです。 

オールブラックスのハカは「Ka Mate Ka Mate(カ マテ カ マテ)」とKapa O Pango (カパ オ パンゴ)」の2種類がありますが、どちらを披露するかは事前にアナウンスされることはありません。この2種類の関係は対等。どの試合にどちらを披露するかはオールブラックスが決めます。始まってみて結果的に今日はカマテだね、という感じなので、観客目線では、始まる前にどちらのハカが披露されるかを予想するのも楽しいです。

 

ハカを見てみよう

J SPORTSが作っているハカまとめ「新古今ハカ集」が1番いいです。それぞれについて補足情報をまとめました。読みながら見てもらえると嬉しいです。

1. オールブラックス:カ マテ カ マテ(2000年と2017年)

2000→2017年にかけての変化は隊形がバラバラだったのが、キャプテンを先頭に三角の隊形になったことが大きいです。花火はホーム・ニュージーランドだからこその演出だと思いますが、かなりパフォーマンスとしても見応えのあるものになりました。

2. オールブラックス:カパ オ パンゴ (2005年と2017年)

2000年→2017年の変化は最後の動きの変化です。「首切り(throut slitting) ハカ」と呼ぶ人もいるように、首を切るような動きが特徴的でしたが、この動きは結果的になくなりました。なぜならこの動きの本来の「自分の心臓と肺に力を引きずり混む」という意味だとなかなか理解されなかったからです。現在ではお腹から肩に向けて腕を振り上げるような動き、意味は「生けるものの呼吸を心臓と肺に引きずりこむ」に変更になったそう。

両方に共通しているのは、ハカの指揮=リードをしている人がいるということです。ハカの指揮はマオリ民族の末裔だけができる特別な役割です。おそらく今回の来日でもTJ・ペレナラ(下記写真 坊主の比較的小柄な選手)がハカのリードをすると思います。

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TJ Perenara Photos Photos - New Zealand v British & Irish Lions - First Test Match - Zimbio
動画でいうとオールブラックスのハカは4:43まで。以降はニュージーランドの中でも別のチーム(マオリオールブラックスとスーパーラグビーの5チーム)のハカになります。そもそもハカは民族舞踊なので、その地域に根ざしたハカがあり、以降はそれらのバリエーションです。それぞれ全然違うので是非見てみてください!私はマオリオールブラックスマオリ族の末裔だけのチーム)のティマタンガとクルセイダーズのタキナテカワが好きです。リードの人が複数いて道具持ってたり、芝生ちぎって投げたりしています。

 

ハカへの対抗策

ハカは対戦する相手に向けて行うため、見ている側の選手もそれなりに対策が必要です。日本代表がオールブラックスと対戦した時には、ハカに触発されて試合前に熱くなりすぎないように上着を羽織ったまま見守ったと聞きました。多くの場合が、対抗するというよりも冷静さを失わないためにできることをやっているのですが、真っ向勝負しているチームがあるので、それを紹介します。

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きっと対抗しないタイプのTAULUPE FALETAU(ファレタウ)選手

 

フランス代表の対抗〜国旗カラーに着替えちゃう

2007年のワールドカップ準決勝でのフランス代表の対抗策はあまりにも有名。この映像では見えにくいですが、ブルーの上着を着ていたフランス代表がハカが始まるとなると、上着を脱いで青・白・赤のフランス国旗と同じカラーになっちゃうのです。ハカの終わり頃には鼻がくっついちゃうほど距離に近づいて一触即発の雰囲気です。

 

ウェールズ代表の対抗〜オールブラックスが動くまで動かない

2008年のオールブラックスウェールズの代表試合。ウェールズ代表は通常通り1列に並んでハカを見守りますが、ハカが終わっても動き出しません。オールブラックスがフィールドに散っていくまでうごかねぇぞと言わんばかりに仁王立ち(実況はウェールズの石像たちと表現してました笑)で、結局試合が始まるまで2分間ずっとこのこう着状態が続きます。これじゃあ試合が始まらないということでレフリーが間に入り、声をかけたり笛を吹いたりしてようやく試合を始めることになりました。こちらも有名。


番外編:イングランドファンの本気〜歌声でかき消す

ニュージーランド以外にも試合前にウォークライを披露する国がいくつかありますが、その1つがフィジーの「シンビ」です。2015年のワールドカップ イングランド大会の初戦 イングランド対フィジーの試合でもシンビは披露されましたが、ホームであるイングランドファンからイングランドの応援歌である「Swing Low Sweet Chariots」の大合唱に全てかき消されてしまいます。アメフトで言う所のクラウドノイズ(Crowd Noise)のパワーを感じました笑

 

終わりに

いよいよ今月日本にお迎えするオールブラックスのハカについてまとめてみました。次は注目選手についてまとめてみようと思ってます!