7.2 SR15 VSワラターズ オフロードパス
引っ張ります、ワラターズ戦。今回はこの試合でキーになったオフロードパスについて書きたいと思います。
写真はオフロードパスの名手 ソニービルウィリアムズ(NZ)
http://en.espn.co.uk/scrum/rugby/story/250031.html
◆オフロードパスとは?
オフロードパスとはタックルされながらも倒れる直前に、味方にボールを渡すパスのことです。基本のルールとして、タックルされて体が地面についてしまった選手はデッドプレーヤーとなり、再び立ち上がるまでプレーを再開することはできません。しかし、オフロードパスは倒される直前に発生するので、ギリギリセーフなプレー、としてカウントしてます。
投げられたボールを受けた人、つまりオフロードパスを受け取った選手はだいたいの場合、ラインブレイク(つまり相手のディフェンスを抜けて前に進むことができている)しています。つまりオフロードパスが上手く繋がると、ほぼ確実に陣地を獲得することができるのです!スゴイ!
百聞は一見にしかずってことで、下の動画を見てみて下さい!昨年のワールドカップのオフロードパス集。オフロードした選手の名前も入ってる、とてもいい動画です。
◆オフロードパスがどうして効くのか
タックラーにタックルさせる隙がなくなるからです。
これまた基本的なルールとして、タックルをしていいのはボールを持っている人(ボールキャリアー)だけです。通常のパスの場合には、ボールが空中を移動している時間と方向で次のボールキャリアーが誰で、自分が誰にタックルするべきかを判断することができます。
しかしオフロードパスの場合には、ボールが浮いてから次のボールキャリアーに渡るまでの時間と距離が短いため、ボールキャリアー(オフロードパスを受け取った人)にタックルすることがとても難しくなるのです。その結果として、オフロードパスを受け取ったボールキャリアーはラインブレイクしやすくなるのです。説明がムズカシイ…
◆どんどん使いたいオフロードだけど…
オフロードパスが次のボールキャリアーへ渡りやすい条件があるせいで、なかなか繰り出せない技、つまりスーパープレーなので、なかなか繰り出せないというのも実情です。
1つ目の条件として、オフロードパスを投げる人がタックラーよりも強くなければなりません。倒されながらもボールを投げられるだけの余力が必要なのです。無理にオフロードをすると、うまくボールをコントロールできず、敵にボールが渡ってしまう、なんてことはよく見ます。だったらラックになった方がよかったわ!となるパターンです。
2つ目として、オフロードパスに反応できる味方プレーヤーが近くにいなくてはいけません。オフロードパスは綺麗に投げれているけど、味方が誰も受け取れない、反応できないために、結局敵にボールが渡るというのもよく見ます。
そんなこんなで見れたらラッキーのオフロードパス、ご理解頂けましたでしょうか。いつかのJSPORTS解説で野澤さん(元日本代表フッカー現日本協会リソースコーチ)が「オフロードパスの回数とトライの回数にはポジティブな相関がある」ということを仰ってました。ディフェンスシステムが発達している近代ラグビーでもかなり使えるし、これからも攻撃オプションの主流になるオフロードパス、覚えているとラグビー通ぶれるかも笑!