カナダ戦を終えて…ピックアンドゴー
カナダ戦、もう少し引っ張ります。一昨日、昨日と日本代表について書いたので、今日はカナダ代表の戦い方、特にピックアンドゴーのことを書きます。
◆カナダ代表の戦い方
完全フォワード(FW)戦でした。3つあったトライのうち2つはFWの選手によるものでしたし、残りの1つも直前までFWでゴリゴリエリアを取って最後にパス1つでトライ。バックス(BK)へボールを展開(次々と何人もでパスを回してボールを前へ運ぶ)してとったトライはありませんでしたね。
昨日と同じ動画ですが…試合終了間際の攻防はまさに今回とりあげるピックアンドゴーの連続です。
◆ピックアンドゴーとは?
そんなカナダ代表の攻め方がピックアンドゴーと呼ばれるもので、実は書いて字の通りです。ラック(地面にあるボールの争奪戦をしているもちゃついた人の塊)から体が大きく強い選手がボールを取り出して(ピック)、パスを出すことなくそのままインゴールに向かって突進(ゴー)する、シンプルな攻め方です。力技です。獲得(ゲイン)できる陣地があまり多くないため、通常インゴール目前、あと数メートルでトライが狙える!という位置で用いられます。
◆エリアマネジメントの大切さ
この試合からはエリアマネジメントの大切さが伝わってきます。ピックアンドゴーで確実にゲインできるということは、何とかしてインゴール付近までエリアを取れればトライが狙える、という意味になってしまいます。
そもそもサイズ感に目劣りしがちな日本代表(といってもみんな超でかいですが)にとって今回のカナダ代表のようなFW戦にはできるだけ持ち込みたくないため、いかに自陣に相手チームを入れないか、敵陣でプレーし続けられるか、が勝ち切る1つの条件になっているのです。
ピックアンドゴーに備える日本代表の背中(青のジャージー)。左端の田村選手の姿勢がすばらしい…!
こんな感じで大事な試合でキーになったプレイについて少しずつ書いていきたいと思います。こういう戦術的なところが分かるとどんどんラグビーは面白くなるよ!