宿沢広朗著 『TEST MATCH』を読みました
ふとアマゾンのほしい物リストを見たらこの本が入っていたので、買ってみました。初めてキンドル(iPhone版)で電子書籍を買ってみたのですが、便利です。通勤や会社のお昼休みなど手軽に読めました。
キンドルのレビューはさておき、今回はこの本について感想をまとめておきます。
◆著書 TEST MATCHについて
ラグビー選手が読むべき本。それもテストマッチに出るレベルの選手。宿沢さんがどんな基準で選手をセレクションしそれはなぜかや、1991年ワールドカップに出場するためには予選でどの国に勝ち、ワールドカップ本番ではどこにピークを持っていくかをどのように判断したのか、といった非常に具体的なワールドカップ対策の振り返り本です。
一方、中には予選各国のお国事情紹介や訪問記のようなパートもあって、すごく興味深く読み進めることができました。ワールドカップで勝つためには、戦術や選手の特徴を把握することはもちろん、その国の文化やラグビーが生まれた背景、ラグビーの立ち位置などを理解する必要がある、という理論も非常にロジカルで好感が持てました。
後半はワールドカップ期間中の宿沢さんの日記。試合のことももちろんですが、プライベートであれこれしましたってことも書いてあります。
文章は全体に知的な印象。さすが銀行員、賢い人は何をやらせてもパフォーマンス出していくんだなぁと思いました。構成は英語の論文チック?重要なことは最初と最後に別の言葉で繰り返し述べているところからふと感じました。ありきたりな言葉ですが、ところどころリーダーシップ論も語られていて、ラグビー選手でなくても参考になる部分があった思います。まぁ、ラグビー全く知らない人が読んでも説得力ないし、面白くないと思いますが…。
◆面白かったこと
宿沢さんが代表監督の時のキャプテンが先日亡くなった平尾さん。背も高くてイケメンでラグビー選手としても一流の平尾さんに、何か欠点がないかと考えカラオケに連れて行ったら歌も上手くて参ったという話。…完璧かよ!
テストマッチとは:国と国と戦争であり、それは一流の選手同士がナショナルスタジアムで大観衆の前でかっこいいジャージーに身を包み、誇りを持って真剣に行われるゲームであるべきだ。例え、日本代表がニュージーランドの学生チームより弱かったとしても、日本代表が戦うべき相手はオールブラックスである。代表選手として、プライドを育むためには相手を選ばなくてはいけない。強い弱いは関係ない。
キャプテンシーとは:試合の中でピンチとチャンスを感じ、それを全員に徹底的に意識させることができること。それ以外はなくてもいい。
チームワークは:日本ではチームが一丸となれば思った以上の力が発揮されるとチームワークという概念に傾倒しているが、欧米諸国では個々人の高いレベルによって高いチームワークが発揮されると考えている。宿沢さんも後者であるべきだと考えていて、選手のフィットネスは選手個々人にて管理・向上させておくべきと考えていた。無理やり?フィットネスとあげさせたエディさんとは別の考え方だった。
本全部が面白すぎて、全部の内容をみんなとシェアしたいくらいですが、これくらいで。入手もキンドルなら簡単なので是非お試しあれ!です。